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2025.11.07ブログ
建設業界で起こる事故とその対策
こんばんは！大阪市で解体業者として活動している株式会社三輝工業のブログ担当です！
解体工事現場での労働災害は後を絶ちません。
建物の解体には大きなリスクが伴うため、適切な安全対策と訓練を受けた作業員が必要不可欠です。
この記事では、最近の重大事故事例や事故原因、安全対策、必要な資格や訓練など、
解体工事の安全性について詳しく解説します。
1. 解体工事現場での最近の重大事故
最近の解体工事現場で発生した重大事故を紹介します。
これらの事例は、解体工事での労働災害の深刻さを明示しています。
① 長岡市での死亡事故
昨年12月、新潟県長岡市で解体工事現場での死亡事故が発生し、
作業中の労働者が解体用つかみ機のアームと建物の間に挟まれ、死亡しました。
この事故を受けて、長岡労働基準監督署は解体工事の安全対策強化と安全総点検の実施を要請しました。
② 福井県池田町での作業員3人の死亡事故
福井県池田町での解体工事中に作業員3人の死亡事故が発生しました。
作業員たちは建物の天井からウレタンをはがす作業をしていた際、
足場から10メートルの高さで倒れている所が発見され
警察によると、高圧洗浄機を使用していた現場で、一酸化炭素中毒の可能性が指摘されました。
③ 川崎市での解体工事現場の崩落事故
川崎市多摩区の解体工事現場でも、作業員1人が解体作業中に怪我をする事故が起き、
作業員は屋上で作業中に、床面が崩れて4階に落下したと報告されました。
④ 神戸市中央区での建物崩落事故
神戸市中央区のビル解体工事現場で作業員がけがをしました。このビルは解体作業中に崩れたものです。
これらの事故は、解体工事中に発生したものであり、職場の安全確保が重要であることを示しています。
解体工事に携わる作業員や関係者は、慎重かつ適切な安全対策を講じる必要があり、
同様に、建築物の解体工事を行う企業や業者も、労働者の安全を最優先に考え、適切な訓練と監督を行うことが求められます。
2. 解体工事中の事故の主な原因と対策
解体工事中の事故は数多く発生しており、その主な原因と対策について考えてみましょう。
① 倒壊・崩壊の原因と対策
倒壊・崩壊は解体工事中によく起こる事故の一つです。以下に原因と対策を示します。
原因
壁の切断中に壁が倒れて下敷きになる。・天井を解体中に梁が崩壊して下敷きになる。
対策
解体中の壁や天井の安定確保を徹底する。・切断作業の際には周囲の構造物の安全性を確認し、
予測可能な崩壊を防ぐ。・解体作業前に建物の構造を正確に把握し、適切なエンジニアリングに基づいた手法を用いる。
② 墜落・転落の原因と対策
墜落・転落も解体工事中に頻繁に発生する事故の一つです。以下に原因と対策を示します。
原因（建築物の躯体からの墜落・転落）
踏み抜きによる墜落・防網等の安全対策が講じられていないために災害が発生。
対策
建物の躯体からの墜落や転落を防ぐために、適切な足場や防網の設置が必要。
作業員は安全帯やヘルメットなどの適切な個人保護具を使用する。
建物の構造や躯体の強度を考慮し、安全な解体作業の手順を立てる。
以上の対策は解体工事中の事故を抑制するために重要です。
解体作業員はこれらの対策を常に頭に入れて作業を行うべきです。
安全な解体工事を行うためには、適切な訓練や資格の取得も不可欠です。
3. 解体工事の安全対策を怠った企業への処分事例
解体工事における安全対策の重要性は言うまでもありませんが、
安全基準を怠った企業には厳しい処分が下されることがあります。
以下に、解体工事の安全対策を怠った企業への処分事例をご紹介します。
3-1. 佐賀市の建設会社と職長の書類送検（伊万里労働基準監督署）
伊万里労働基準監督署は、佐賀市の建設会社と同社職長の
40代男性を労働安全衛生法違反の疑いで佐賀地検武雄支部に書類送検しました。
この処分事例は、工事中に車両系建設機械が落下して作業員が死亡した労働災害に関係しています。
当該現場では、作業計画の内容に不備があり、特に建設機械の運行経路が示されていなかったことが問題視されました。
3-2. 会社社長の書類送検（奈良労働基準監督署）
奈良労働基準監督署は、奈良市の建設会社とその社長を労働安全衛生法違反の疑いで奈良地方検察庁に書類送検しました。
この処分事例は、奈良市の小学校の解体工事中に土砂崩れにより作業員が死亡した事故に関連しています。
現場での作業では、土砂が崩れる危険性がありながら、十分な安全対策がとられていなかったことが指摘されました。
3-3. 解体作業中の男性作業員の死亡事故（福井県池田町）
福井県池田町での建物の解体作業中、作業員1人が倒れて死亡する事故が発生しました。
この事故を受けて、建築基準法違反が疑われる解体業者に対して再発防止策が求められました。
解体作業中の安全対策は特に重要であり、作業員の安全確保に努めるべきです。
3-4. 名古屋市中川区の解体工事現場の安全基準違反（名古屋市）
名古屋市中川区の解体工事現場では、安全基準を遵守していないとして、名古屋市から適切な指導を受けました。
現場では、囲いの不備や落下物の飛散防止の措置が十分に取られておらず、周辺住民からの苦情が相次いでいました。
解体工事においては、周囲の安全を確保するために必要な措置をきちんと行うことが求められます。
これらの事例からも分かるように、解体工事の安全対策を怠った企業には厳しい行政処分が下されることがあります。
解体工事を行う企業や作業員は、常に適切な安全対策を講じることが重要です。
安全意識を高め、適切な訓練や資格取得を行うことで、労働災害の防止に努めましょう。
4. 解体作業員に求められる資格と訓練
解体工事は建築物の危険な作業の一つであり、適切な資格と訓練を受けた作業員が必要とされます。
解体作業員は、高い技術力と知識を持ち、安全な解体作業を行うために以下の資格や訓練を受ける必要があります。
・資格
解体作業主任者の資格: 解体作業の指揮を取る主任者として、解体作業主任者の資格を取得する必要があります。
この資格は厚生労働省が定める解体作業主任者養成講習を修了し、試験に合格することで取得することができます。
解体作業主任者は、解体工事の計画や施工管理、安全対策の確認・指導などを行います。
解体作業従事者の資格: 解体作業の実施や補助を担当する作業員は、解体作業従事者の資格を取得する必要があります。
この資格も厚生労働省が定める解体作業従事者養成講習を修了し、試験に合格することで取得することができます。
解体作業従事者は、解体現場での作業や安全管理などを行います。
・訓練
安全教育: 解体作業員は、解体工事における危険な作業の理解と
安全対策の重要性を学ぶために安全教育を受ける必要があります。
この教育では、解体作業現場での事故防止や適切な作業手順などについて学びます。
技術訓練
解体作業は高い技術力を必要とするため、解体作業員は定期的な技術訓練を受ける必要があります。
この訓練では、解体作業に使用する機械や工具の正しい取り扱い方や解体技術の習得などを行います。
現場実習
資格や訓練だけでなく、実際の解体作業現場での実習も重要です。解体作業員は経験を積むことで、
実践的な技術や判断力を身につけることができます。
注意点
健康管理: 解体作業は肉体的にも精神的にも負荷のかかる作業です。
解体作業員は自身の健康状態を管理し、十分な睡眠や栄養を摂ることが重要です。
安全意識の向上
解体作業員は常に安全に配慮しながら作業を行う必要があります。
安全意識の向上のために、解体作業員同士での情報共有や安全に関する研修への積極的な参加などが求められます。
最新の技術の習得
建築物の構造や解体技術は常に進化しています。
解体作業員は最新の技術や知識を習得し、常に自己啓発を行う必要があります。
解体作業員には高度な技術と知識が求められるため、適切な資格と訓練を受け、
安全に作業を行うことが重要です。安全な解体工事の実施により、労働者の安全確保と労働災害の予防に努めることが必要です。
5. 古い建築物の解体工事における注意点
古い建築物の解体工事は、新しい建物と比較して特別な注意が必要です。
以下に、古い建築物の解体工事における注意点をいくつかご紹介します。
1. 建物の構造を正確に把握する
古い建築物は、状態が劣化している可能性があります。解体工事を始める前に、
建物の構造を正確に把握することが重要です。特に、壁や天井の耐力など、強度に関わる部分に注意を払う必要があります。
2. 耐震性を考慮する
古い建築物は、現代の建築基準に合致していない場合があります。
解体工事を行う前に、建物の耐震性を十分に考慮することが重要です。
特に、地震などの自然災害に強くなるように対策を講じる必要があります。
3. アスベストなどの有害物質に注意する
古い建築物には、アスベストなどの有害物質が含まれている可能性があります。
解体工事を行う前に、建物内部の調査を行い、有害物質の除去が必要な場合は適切な処理を行うことが重要です。
また、作業員の健康を守るため、十分な防護措置を取ることも重要です。
4. 作業計画を立てる
古い建築物の解体工事は、予期せぬ事態が発生する可能性があります。
事前に十分な作業計画を立て、安全な作業環境を確保することが重要で、作業員への指示や協力体制の整備も行う必要があります。
5. 作業員の訓練を行う
古い建築物の解体工事は、高い技術と知識が求められる作業です。作業員には、解体作業に
関する適切な訓練を行う必要があります。
また、作業員が適切な防護具を着用し、安全な作業手順を守ることも重要です。
まとめ
建設業界での工事の事故を中心とした記事となりましたが、
建設業では毎年、事故が起き人が命を落とす、ケガをするという事が続出しています。
皆様の生活をより良い環境にする為に建設業は存在し、その裏で事故が多発するという事で
その命を落とした方や怪我をした方のご家族や友人などのお気持ちを考えると
いたたまれない気持ちになります。
弊社も解体として建設業に携わっていますが、まずは自分の会社の従業員とその家族が
守れるよう、そして建設業の良いモデルになれるように日々の安全活動に精進して参ります。